tdの音楽素材サイト

制作日記 / blog

Pure MIDI制作日記②~MSGSで楽曲を作っていく

曲を作っていく

この記事はとぼけがおさん主催のPure MIDIコンピレーションアルバムに提出する楽曲を作っていく日記。曲を作りながら書いているけれども、記事のアップは楽曲提出後なので事後報告みたいになる
前回の記事まではですます調だったのに急にである調でやっていく、おれはそういう男

起案

●2025年3月24日 締め切りが月末なのにも関わらず今日から着手し始める。イメージを膨らませるために過去のPure MIDIコンピの楽曲を聴く。Pure MIDIを作るのにPure MIDIを参考にするという、ありきたりなことをしてしまっている自分に幻滅しつつ、まあノウハウも何も持っていないのでそうするしかないよなあとも思う。
今回のPure MIDIコンピではベロシティの調節による疑似ディレイのようなことも禁止という非常にピュアピュアやってるレギュレーションなので、皆さんが使っているワザをパクろうにもパクれないということはあるが、逆に頑張って奥行きを作ろうとしなくていいので別の面白さを追求できるかもしれない、という気持ちがあるのだ。

DAWで音を鳴らし始める。なんとなく以前から「5連符」をやりたいなと思っていたのでそれをやってみる。4分の5拍子とか8分の5拍子じゃないのかというツッコミもあると思うが、拍子自体は4分の4にしておいて、いかにも4分の4らしいドラムを鳴らしつつ他の音が5拍子、みたいなイメージ。
とりあえず最初の2小節は拍子が分からないようにして、その後キックやシンバル、スネアが入ることで、上記のように4拍子なんだけど上モノが5連符を鳴らしているという不可思議な音像がちょっとだけ出来上がった。


ちなみに5連符の音階は一見バラバラなようだが、4度ずつ重ねていく音(レ、ソ、ド、ファ、シ♭)をオクターブ変えるなどして並び替えたものである。こうすると「なんかヘン」な感じになっていいなあと今思ったので採用した。とはいえ、これ全部消してやっぱり違う形にする可能性も全然ある。

で、ここからどうするの?


●2025年3月25日 昨日の続きを考える。考えたあげくこういう感じのものができたが……

格好の付け方が違う気がする。ボツ。却下。


●2025年3月26日 昨日の作業分をボツにして、さあ現在のフレーズの続きをどうしようかと考える。
4度ずつ重ねていく音(レ、ソ、ド、ファ、シ♭)を並び替えたこのフレーズは気に入ってはいるのだが、使い慣れていなさ過ぎてここからどう展開させていくかという手掛かりがない。 「4度堆積 使い方」でGoogle検索するとSound Questという音楽理論についてのサイトの記事を発見したのでこれを読む。僕は文章を読むとすぐ集中力が切れてしまうので半分くらいまで読む。音源のサンプルも聴けて分かりやすい。

4度堆積だけでフレージングをするというところ、それからホルストの「木星」冒頭部分を例に挙げているところに特に興味を惹かれる。木星の冒頭はただ4度を重ねているだけではなく、縦のズレがあの幻想的な感じを生んでるっぽい。それを念頭に置きつつ、メロディらしいメロディがないままだったのでいわゆる主旋律を考える。こういう感じに(0:42あたりから)。

メロディはやはりレ、ソ、ド、ファ、シ♭、そしてその更に4度上のミ♭で構成する。おお、けっこうちゃんとしたメロディになるのだな。この曲のキーが何なのか自分で分かっていないのだけど、キーを意識せずに作曲をしているのは初めてだ。


●2025年3月27日 ウォークマンをシャッフル再生してたまたま聴いていたサザンの曲に影響を受ける。1978年の「恋はお熱く」からは所謂2536のコード進行を、1983年の「赤い炎の女」からはラテンっぽいリズムパターンをそれぞれ真似てみる。とはいってもコード進行そのままではなくベースの上は4度を重ねる。なるほどこういう響きになるんですね。

一応2分くらいになり完成……で良いのだろうか? 突拍子の無さが面白いのか気持ち悪いのか正直分からなくなってきたためとりあえず保留。

●2025年3月30日 最後の方にサイン波を追加、シンバルのパターンを変更して完成。もう自分では良いのか悪いのか分かんなくなっちゃうよ! タイトルを決めて提出完了。


●2025年6月6日 BandCampでリリースされました。
Pure MIDI Volume 3 (for more purity) は無料でダウンロードできます。
tdの楽曲「読めない絵画(The Illegible Painting)」は5曲目です。




前の記事へ | 次の記事はまだです